TANOKAGA! ~たのしい科学~

教科書では語られない科学ネタの紹介・解説を中心とした、学生向けのブログ

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ここは、私が「気になった科学ネタ」「自作した動画教材」などを紹介するブログです。

教科書には詳しく載っていない事柄で、かつ授業で使えるかもしれないネタを中心に記事にしようと思います。 視聴覚素材の利用や、わかりやすい解説で、中学生や高校生が理解できる記事を書いていきたいです。
もちろん、科学に興味を持った大学生以上の方も大歓迎です。 ただ、その道の専門を学んでいる方にとっては、簡単ゆえに物足りないかも知れません。

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今、世界中の物理学者を賑わせている話題と言えば、「光より速い粒子を発見か!?」のニュースに他ならないでしょう。
科学界だけでなく、一般のマスコミにも大きく取り上げられました。いかに影響力が大きい発見だったかがわかるでしょう。

CERNが光速超える粒子発見!アインシュタインの相対性理論ピーンチ!|ギズモード・ジャパン

現代物理学への挑戦…光より速いニュートリノ|読売新聞

現代物理学の土台になっている理論のひとつとして、アインシュタインが提唱した特殊相対性理論があります。簡単に言うと、「光より速い物質は存在しない」ということです。
この理論が正しいということを前提に、現代の科学は進歩してきました。

しかしこのたびの発見で、その特殊相対性理論そのものが覆される可能性が出てきたのです!
日本を含む国際研究チームが、質量のある素粒子のひとつであるニュートリノの速度を測ったら、光速を越える結果が測定されてしまったそうです。
もし真実だとしたら、科学界に与える影響は甚大なものになるでしょう。もし真実だとしたら・・・です。

さて今回は、この発見についての科学的解説をするわけではありません。
今回の発見を成し遂げた科学者たちの態度・行動をお手本に、”科学者のあるべき姿・とるべき態度”とは何なのか、”正しい科学者のあり方”について解説します。
「科学者」の皮を被った「エセ科学者」に騙されないために・・・。

続きは以下から。
さて、そもそも「科学」「科学的」とは何でしょうか。定義づけることは難しいです。
私は、「科学」「科学的」であるために必要な要件は二つあると考えています。
  • 実際に実験・測定・観測して、結果が得られていること。
  • 万人が同じ実験をしても、同じ結果が得られ、同じ結論にたどり着くこと。
これを満たした事柄を、「科学的事実」と捉えるようにしています。
これを前提に、今回の発見を見てみましょう。

まず1番目の条件ですが、きちんと実験がなされた上での発表ですから、要件は満たしていると言えるでしょう。
さらに、記事によると、彼らは同じ実験を1万回以上繰り返し、同じ結果が得られたと言っています。
”実験をしない科学”なんてものはあってはなりませんが、”数回の実験で決めつける科学”というのもあってはなりません。
人間にミスはつきものですし、想定外の事態というものもまれにあります。それらの要因を排除するためには、とにかく実験の回数を重ねて、信頼性を上げていくほかありません。
1万回以上実験をすることで、統計的にも意味のある結果が得られたということです。

次に2番目の条件ですが、この条件はまだ満たされていません。今回の結果は、あくまで彼らのグループだけが得たものに過ぎません。
ですから、「光より速い物質が存在する」という事柄は、現在のところ「科学的事実」とは言えません。まだ「仮説」の段階であることを理解していなければなりません。
この結果を「科学的事実」として全世界が受け入れるためには、別の科学者が同様の実験をして、同じ結果が導けるか調べなくてはいけません。この、他人が同じ実験をして確かめることを追試といい、普遍的な現象であることを再現性があるといいます。
つまり、追試によって再現性があることが確かめられて、はじめて「光より速い物質が発見された!」と言えるのです。科学の世界では、独りよがりはあってはならないのです。

ここで、研究グループ広報の方の発言を引用して見てみましょう。

我々もあらゆる説明を試みた。ミスであってくれればと思ったが、どんな些細なミス、複雑なミス、怪しい要因も見つからなかった」「自分らには説明の手がかりが全くないため、結果を公開し、コミュニティのみなさんに精査をお願いするほかないと判断した」「他の独立した実験から同じ結果が得られたら、この荷が下ろせるんだけどね」
「まだこうだと断定はしていない。コミュニティに、このクレイジーな結果を理解する助けをお借りしたいだけ。まったくクレイジーだからね」


最初の部分で、たくさんの実験をして、多くの可能性を考え、試行錯誤していたことがうかがえます。
そしてそれでもいよいよ公表するとなったときに、世界中の科学者に追試をお願いしています。彼らだけで断定することはしていませんね。
そして、再現性が認められたら、肩の荷が下りると言っています。つまりこれは、この結果があくまで仮説の段階であることをしっかり認識している証だと思います。

私は、彼らのような態度こそ”正しい科学者のあるべき姿”だと思います。もちろん彼らだけでなく、多くの科学者はこの原則をしっかりと守っているはずです。
彼らをお手本とすると、”正しくない科学者”(ここでは「エセ科学者」と言いましょう)とはどのような人なのかも、おのずとわかってくるでしょう。

  • 実験もせずに妄想だけで理論を立てる。
  • 情報を開示せず、追試をさせてくれない。
  • 他人が追試をしても再現性が認められない。
  • 再現性もちゃんとあると主張しているが、実は、世界的に知られていない小規模なコミュニティ内でしか認められていない(つまり、支持者が内輪の人間ばっかり)

これらの要件を一つでも満たしているなら、それは「エセ科学者」が提唱した「ニセ科学」であると断じることができるのではないでしょうか。
ニセ科学は私たちの身近にもたくさんあります。科学者という肩書きだけを安易に信じて、その内容に疑問を持たないでいることは、大変危険なことです。
私たちが信ずるべき「科学」とは何か、信ずるべき「科学者」とはどのような人か、これについて、文系理系問わず、万人がしっかりと理解することが、健全な文明社会をつくるために必要なことだと思います。


2012/06/04追記:
追試の結果、再現性が確認できなかったため、研究グループはこの発表を撤回しました。
当該記事はこちら
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[タグ] 物理学 電磁気学
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