TANOKAGA! ~たのしい科学~

教科書では語られない科学ネタの紹介・解説を中心とした、学生向けのブログ

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リン(元素記号P)と聞くと、高校化学では「同素体」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
リンの同素体は、赤リン黄リン(別名:白リン)の二種類があります。
赤リンは、無害の赤色固体で、マッチの側薬などに使われている一方で、黄リンは白色固体で猛毒、空気中で自然発火する危険な物質です。なぜ同じ元素から出来ているのにこんなにも性質に差があるのか、というのは、赤リンと黄リンの分子構造の違いが関係してくるのですが、これについては割愛しておきましょう。

さて、黄リンは危険な物質というのは古くから知られていました。危険な物質なら兵器に使えるのでは、と考えるのが人間で、実際に黄リンを使った兵器が作られてきました。今回は、その黄リンを用いた兵器について解説します。
黄リンを使った兵器について、間違った認識も一部にあるので、それについても理論的に斬っていきましょう。

解説は以下から。
黄リンの主な特徴は以下の二つでした。
1.猛毒
2.自然発火

このうち、1の人体に対し猛毒であるという性質を利用した化学兵器の開発はかつて行われていました。しかし、実用化には至りませんでした。なぜかというのは、このあとでわかります。

そのため、黄リンを使った兵器は、2の自然発火性・高反応性を利用したものがすべてです。
最も単純なものは、焼夷弾(建物を燃やすための爆弾)です。古くに開発され、広く使われました。空気に触れた瞬間、なにもしなくても勝手に燃えてくれますからね。しかしあまり性能が良くないことや、焼夷弾禁止条約が広まったことなどから、現在ではほとんど使われていません。

黄リンの自然発火の動画です。ぜひ見てください。燃焼時に、濃い白煙が発生しているのがわかると思います。これがこの後の解説で重要になってきます。

しかし現在でも若干使われているのが、今回紹介する白リン弾です。
これは通常の砲弾・爆弾と同様に、破壊・焼夷効果もあるのですが、それに加え、煙幕として優秀な性能を有しています。白リン弾の実際の映像はこちら。ものすごい煙幕ですね。



リンが燃焼すると、リンは、五酸化二リンP2O5(十酸化四リンP4O10)という、白色固体に変化します。燃焼時に発生した白煙の正体は、五酸化二リンだったのです。この白煙が、敵から身を隠す煙幕として有用だとされています。
この五酸化二リンは、水と反応しやすい性質があり、直ちに空気中の水分と反応して、リン酸H3PO4に変化し、水に溶け込みます。

さて、白リン弾の仕組みはこれだけなのですが、この白リン弾が「毒性の高い非人道的な化学兵器なので規制すべき」との主張が一部にあると聞きます。しかしこの理論は一部正しくありません。

確かに白リン「自体」は猛毒です。直接摂取すると大変です。
しかし、白リンは直ちに燃焼し、五酸化二リン、そしてリン酸に変化します。そして燃えカスであるこれらは、人体にはほぼ無害なのです。(詳しく言うと、五酸化二リンには水分を奪う性質があるので、無害とは言えないのですが、屋外では濃度が薄まるのでほとんど影響がない。リン酸も弱酸性の水溶液だが、これも濃度が薄まる。)
ですから、白リン弾は毒ガスのような化学兵器にはなり得ないわけです。

上のような主張をされている人たちは、どうもこのあたりを知らないのではないでしょうか。化学を勉強していれば、おのずとわかることです。

ただひとつ、白リンが直接皮膚に付着すると、自然発火により火傷をもたらすことも事実です。白リンによる火傷は、白リン自体の猛毒性も合わさり通常の火傷よりも重症化するそうです。そういう意味では「重篤な火傷をもたらす兵器」とも言えます。
しかし、それはすべての爆弾に言えることです。白リン弾を規制するのなら、すべての爆弾も同時に規制しなければ筋が通りません。しかしそのような主張を私は見たことがありません。白リン弾規制派の主張は、私はすべて受け入れることはできません。みなさんはどう思いますか?

ちなみに現在では世界的に、取り扱いが安全な赤リン弾に置き換えが進んでいます。もちろん、煙幕として使われます。


2012/01/03追記:
白リンによる火傷についての記述を加え、記事を再構成しました。ただ、言いたいことは変わっていません。
白リンによる火傷の概要と対処法については、上記黄リン発火動画のあるサイト(理科ねっとわーく)内に記述があります。
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黄リンによる火傷は,普通の火傷ではありません。
黄リンの火傷をよく調べてください。

2012.01.03 21:18 URL | 1-1 #- [ 編集 ]

1-1様

再びのご指摘ありがとうございます。
リンの摂取による中毒のみを紹介し、リンの付着による火傷について言及していなかったことは確かに公平性に欠けるものでした。申し訳ございません。記事を加筆修正いたします。
ただ、本記事の主題として、「白リン弾だけを非人道的兵器として区分すべきでない(それを言うならすべての焼夷兵器が非人道的だろう)」というスタンスにかわりはありませんので、ご理解いただきたいと思います。

2012.01.03 22:09 URL | たのかが #- [ 編集 ]

このコメントは管理者の承認待ちです

2016.11.13 13:44  | # [ 編集 ]













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