TANOKAGA! ~たのしい科学~

教科書では語られない科学ネタの紹介・解説を中心とした、学生向けのブログ

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ここは、私が「気になった科学ネタ」「自作した動画教材」などを紹介するブログです。

教科書には詳しく載っていない事柄で、かつ授業で使えるかもしれないネタを中心に記事にしようと思います。 視聴覚素材の利用や、わかりやすい解説で、中学生や高校生が理解できる記事を書いていきたいです。
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国立科学博物館にて、「元素のふしぎ」という特別展が開催されています。
今回はこの元素のふしぎ展に行ってきましたので、展示の概要紹介と、一人の理科教師としての感想を書いていきたいと思います。ちょっと厳しめのツッコミもしてみようかと・・・。

あと、はじめに言っておきますが、基本的に国立科学博物館で開催される特別展は1フロアしか使用しないため、規模としては小さいです。今回のこれも、過去の特別展と同様にボリュームは少なめです。しかしこの狭い空間でいかに多くのことを伝えるかということで、企画者の腕が試されているような、そんな気がいつもしています。

さて、科学(化学)を語る上で元素は切っても切れない関係です。この宇宙は全て元素でできている、と言うと言葉の意味としては不正確ですが、まあそれくらい元素は全ての源であるわけです。
そういうこともあり、元素に関連した展示会や学習教材は数え切れないほどあります。この夏は科博以外でも元素に関する展示会が開催されているはずですし、書店に行けば元素や周期表についてのたくさんの書籍を目にすることができます。
そしてその多くは、全ての元素の説明と、その元素の用途について例を挙げて紹介しているものがほとんどのように感じます。つまり、元素を身近に感じて興味を持ってもらうための手法としては、それが古くから確立された最適解である、と私には思えてくるのです。(否定しているわけではありません。)

今回の「元素のふしぎ」も、それらと同じように、全元素の説明とその用途に注目した展示会と言えました。

展示概要と感想は以下から。
展示の構成は大きく分けて3セクションありました。

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最初は、身のまわりにあるモノには、どの元素がどれだけ含まれているか、の展示パネル。
宇宙,地球,海,大気,人体・・・などなど。身近なモノと元素とをリンクさせることで、元素を実感させようという、”つかみ”として常套手段ともいえる構成です。

ただ、単に含まれている元素の組成や割合だけを紹介するのではなく、なぜそのような組成になったのかなど、地学チックな話も交えて解説されていたのはとても良かったです。なんで海には大量の塩化ナトリウム(塩素とナトリウム)が含まれているのか、知らない人も多いのではないでしょうか。

次のセクションは、元素発見の歴史について。いわゆる化学史というやつです。
古代ギリシャの科学から、原子や元素の発見、そして現在主流となっている量子力学的な考え方に至るまで、その歴史を簡潔に学べます。

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これは原子の電子雲(でんしうん)模型
高校化学まででは、電子は原子核の周りを惑星のように回っていると教えることが多いですが、実際はそれは間違いで、電子の存在・移動は全て確率論で表されるんだよ、ということについての説明。これが現在の量子力学的考え方です。これは中学生以下とかには難しいかも。
ちなみに当ブログでも電子雲についての記事を書いています。

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そして3番目のセクションが今回のメイン。元素118種類すべての説明,用途の展示コーナーです。
元素の説明がパネルに書いてあって、ショーケースの中には、その元素の単体天然における状態(化合物)が置かれており、さらにその元素を使用した様々な製品の実物も置かれています。

このあたりの構成は前述のように使い古されたネタなので、ぶっちゃけ書籍を買ってくれば十分です。ただ、実物を間近で見られるのは、書籍の写真にはないメリットです。この展示会は、そういう目的で楽しんだ方が良いと思います。後述しますが、幸い、写真などでは伝わらない貴重なモノもたくさん展示されていましたので。

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展示の並びは基本的に、周期表での原子番号の若い順(水素から)になっています。ただ、金属,レアアース・レアメタル,人工元素についてはひとつのくくりとされて紹介されていました。無意味に原子番号順に並べるよりも、わかりやすくて良いと思います。

ここからは、私が個人的に気になった,おもしろかったことについて紹介します。

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多くの日本人は18族元素のことを「希ガス(レアガス=ごくまれに存在する気体)」と習ってきたことでしょう。しかしこの「希ガス」という言葉は無くなることになっています。
「ごくまれに存在」とあるものの、18族元素は実際には大気中に1%「も」含まれているので、ぜんぜん「レア」じゃないじゃん!ということで、国際的な呼称である「貴ガス(ノーブルガス=反応しにくい貴い気体)」に訂正されるのです。この展示会では、一足早く「貴ガス」呼称を用いていました。いいですね!
学校現場でも随時変わっていくかもしれません。

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スターサファイアという宝石の実物展示。宝石は様々な元素を含んだ鉱物です。たくさんの種類の宝石の実物が展示されていました。とても貴重そうで、きれいでした。
このスターサファイアですが、主成分が酸化アルミニウム(酸素とアルミニウム)で、そこに不純物として鉄元素とチタン元素を一定規則で含むことで、このような星形の光彩が見られるようになります。

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圧巻だったのはこれ。超高純度ケイ素(シリコン)の単結晶
このケイ素の塊を円形に薄くスライスしたものがシリコンウエハーとなり、集積回路の材料となる。集積回路は超微細な彫刻のようなものなので、少しの凹凸や不純物の混入も許されない。そのため、このケイ素結晶の純度は99.999999999%(イレブン・ナイン)という超高純度! わたしたちのIT生活はこの高純度ケイ素によって支えられているわけです。

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金属の密度の違いを実感できるコーナー。同体積の金,銀,銅,アルミニウムの4塊を持ち比べることができる。
金塊の重さに驚くが、直後にアルミニウム塊を持つと、違った意味で驚く。ちなみにアルミニウム塊の次に炭素繊維塊なんて持ったらきっともっと驚いちゃうと思う。同じ体積なのにここまで質量が違うというのも、考えてみればふしぎでおもしろいところ。

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絵画や陶芸の着色にも元素が関わる。どの元素の化合物を使えばどんな色になるのか、なかなか興味深い。
ちなみに上野ではこのほかにも、(ドイツ)ベルリン国立美術館展や(オランダ)マウリッツハイス美術館展などが各美術館で開催されている。私はこの後マウリッツハイス美術館展にも行ったが、とても感動した。上記2展ではフェルメールの有名な作品等を見ることができる。

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金を濃縮する性質のある植物。仮にこの植物を植えまくったところで、どれくらいの金が収集できるのか知りたいところ。まあそんなことよりも都市鉱山を何とかした方が良いに決まっている。

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5月に名称が正式決定した、フレロビウムリバモリウムもきっちり紹介されていた。

しかし人工放射性元素全般に言えることだが、用途の所に「研究上の興味だけで、用途はない」と書かれているのはいかがなものかと。
日本も含め、べらぼうな額の税金を投入して新元素発見に尽力してもらっているわけですから、建前でも良いから書いてほしかったというのが率直な感想です。いや、建前でもなく、ちゃんとした理由を付ければ良いんですよ。例えば「原子の構造を深く理解することで宇宙誕生の謎を解明するための一助とする」とか・・・。(あ、そういった記述が別の所に書いてあったとしたらごめんなさい。元素一つ一つのパネルしかじっくり見ていなかったもので。)
一般人からしたら、聞いたこともない元素を作り出すことに何の意味があるのと思っている人が多数だと思うんです。それに科学的意義を見つけて一般人を説得し、最終的に人類社会の長期的発展に貢献するべく行動することって、科学者にとって大切なことだと思うんですけれどもね、どうなんでしょう。

というわけで今回の特別展を楽しむポイントは、貴重な実物を観察・体験していかに頭に焼き付けるか、だと思いました。何度も言うようですが、文章だけなら本を買うだけで事足りるわけですから・・・。
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