TANOKAGA! ~たのしい科学~

教科書では語られない科学ネタの紹介・解説を中心とした、学生向けのブログ

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今回は人体に悪影響を及ぼす放射性物質のうち、放射性セシウム137と放射性ストロンチウム90についてのお話です。

セシウム137もストロンチウム90も、ヨウ素131と同じく、原子力発電で使われるウラン燃料が燃える時にできる、核分裂生成物です。本来は原子炉内に閉じ込められているべきこれらが、事故によって漏れ出ています。
ヨウ素131の汚染は初期の頃から問題になっています。加えてセシウム137の汚染もだいぶ進んできています。ストロンチウム90については現段階では報道がなされていません。実は検出されているのに隠しているのか、まだ漏れていないだけなのか・・・。

ヨウ素131は既に報道でも大きく取り上げられているように、人間の甲状腺に主に蓄積し、甲状腺ガンの原因になります。しかし、セシウムとストロンチウムがどんな悪さをするのかは、今のところあまり報道されていません。

セシウム137は、カリウムになりすまして筋肉に多く蓄積されます。筋肉に蓄積されるので、筋肉部分の被ばくが増えて筋肉のガン(肉腫)の原因になると考えられています。
そしてストロンチウム90は、カルシウムになりすまして骨に蓄積されます。骨に蓄積されるので、骨の被ばくが増えて骨のガンや白血病の原因になると考えられています。


なぜ、放射性物質が蓄積する部位がわかるのか。そして、「なりすます」の意味とは何なのか。
解説は以下から。
セシウム137は体内ではカリウムになりすまします。専門的には、カリウムと同じ挙動をとる、と言います。
同様にストロンチウム90は体内ではカルシウムになりすまします。つまり、カルシウムと同じ挙動をとる、と言います。

どういうことかというと、我々人間の体は、セシウムとカリウム、ストロンチウムとカルシウムの区別をつけることができないのです。逆に言うと、区別がつかないほどこれらの物質(原子)はよく似ていると言えます。このことを、「化学的性質が似ている」と言います。

実はこの化学的性質が似ているかどうかの判断は、元素周期表を見れば一発で分かるのです。

periodictable.png
(C) Wikipedia

これが化学の授業でよく目にする、元素周期表です。この世界に存在する全ての元素が、一定の決まりに従って並べられています。
今回注目して欲しいのは、この周期表の縦の列です。周期表の縦の列は、それでひとつのグループを作っています。そのグループに属している元素は、化学的性質が似ているという原則があるのです。
その縦の列グループのことを、「族」といいます。周期表の上にふられている番号が「族」です。左から、1族,2族・・・18族と呼びます。
(実は、化学的性質が似ているグループは、典型元素といわれている元素だけで、青枠で囲まれた遷移元素という元素は、その原則が通用しません。今回の記事では詳しくは説明しません。)

具体的に見てみましょう。これは、1族元素と2族元素の部分を拡大した図です。

periodictable12.png

1族グループのオレンジ枠の元素たちは、アルカリ金属と呼ばれているグループで、同じような化学的性質を持ちます。
2族グループの黄緑枠の元素たちは、アルカリ土類金属と呼ばれているグループで、これらも同じような化学的性質を持ちます。

1族の中の、Kという元素は、カリウムです。Csという元素は、セシウムです。
カリウムとセシウムは同じグループに属していることがわかりますね! これはつまり、カリウムとセシウムは似た性質を持つことを意味します。

同様に2族を見てみましょう。Caという元素は、カルシウムです。Srという元素は、ストロンチウムです。
カルシウムとストロンチウムは同じグループに属しているので、似た性質であることが予想できます。

なぜ縦の列の元素の性質が似てしまうのか。それは、元素の「価電子」の数が原因です。ですが、今回は詳しくは説明しません。知りたい人は、各自で調べてみてください。
一言で言うと、価電子が等しい元素=性質が似ている元素というおおまかな原則があります。(これも典型元素だけに言えます。)

さて、ここで本題に戻りましょう。

カリウムは、生物にとって無くてはならない元素です。人間の場合、食物から摂取したカリウムは、多くが筋肉の細胞に移動し、使用されます。
カリウムとセシウムは、同じアルカリ金属というグループですので、同じ性質を持ったセシウムも、気づかれることなく筋肉にため込まれてしまうのです。

カルシウムも、生物にとって無くてはならない元素です。カルシウムと言われて真っ先に思い浮かぶのは、骨ではないでしょうか。その通り、食物から摂取したカルシウムは、ほとんどが骨に移動して、ため込まれます。
カルシウムとストロンチウムは、同じアルカリ土類金属というグループですので、同じ性質を持ったストロンチウムも、気づかれることなく骨にため込まれてしまいます。

これらの材料が揃えばもうおわかりでしょう。
なぜ、セシウム137は筋肉のガンの原因になるのかが。なぜ、ストロンチウム90は骨のガンの原因になるのかが。

一見無造作に並んでいるように見える元素周期表ですが、実は同じ性質を持った元素同士がわかりやすくまとまっているのです。
特に、「族」による分類は、化学の基礎となる知識です。化学を勉強している人は、しっかり理解しておきましょう。
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